レイチェルとマーティンと言う二人の間諜の話なので、筋が通っていて、一旦、話が真面目な方向にいけば読みやすいです。
フェスティバルが中世的官僚独裁社会に「何でもかなえてくれる電話」を配るあたりで、かなり読む気を失ってました。おかげで、読まずに持ち歩いた時間の分、本はボロボロだ。
因果率侵犯装置を取り締まる超存在のエシャトン、何でも作ってくれるナノテクのコルヌコピアマシン、相対論的魚雷やパルスレーザを駆使した(古代的な)宇宙戦闘、フェスティバルの中の「なんでもあり」の社会、このあたりの*小道具*の詳細がすばらしい。
登場人物も主人公の二人はもちろん、道化廻しにしか見えない人物でも、ちゃんと裏があり、馬鹿ではないところが良いです。
読後感は悪くないです。小道具を駆使して、中世的な物語を語ることは成功していると思う。そういう話が好きならば気に入るでしょう。
レイチェルみたいな女性もいるよね。彼女達の男を振り回す様子は面白い。大人になったナウシカみたいな感じか。
それだけに、この喜劇的な表現がなぁ。Iron Sunrise という続編があるそうですが、微妙なところ。
エシャトンは、時間閉路を使って、超Turing計算をすると言う設定なようですが、面白いけど、抜けがありそう。何でも作れるナノマシンには、エントロピーを減少させるための膨大なエネルギーという壁があるわけだけど.... 時間閉路超コンピュータにも壁があるんだろうな。
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