Tuesday, 3 July 2012

岩波の代数学

http://www.amazon.co.jp/dp/4000050281

彌永昌吉ですが、この本はなぁ。代数学は他にもいろいろ持ってますが、これは自習書には最悪だったんじゃなかろうか。(集合位相の方もそうなんだけど)

テンソル積の定義の「直積を (x,αy) - α(x,y) とかの線形則に対応した生成元とする部分加群で割る」ってのを在学中には理解できなかったと思う。今だったら、まぁ、そんなものかと思うが。あの頃のテンソル解析入門とかは、そういうのが多かった。数学の中でも代数学は特別な位置にあって、そういう視点から見ると、そういう導入の仕方になるというのはわかるけど、まぁ、それ以外の役には立たない。

一方で、物理や工学の教科書だと、「テンソルとは g_{ij} T^{ij} のように座標変換されるもの」。これだよ。直観的につかめるわけないです。テンソルとは多重線形写像のことだと断言した本を見つけるのは、もっとずっと後だ。と言っても、大学1年だったはずだが。

拡大体とかだと、アルティンがのガロア理論が結構良くて、それを発見したのはずっと後。数学の教科書的な代数学も読んだのだけど、交代積とかが天下りで導入されちゃうので辛かった。アルティンは目標がガロア理論と決まっているので、最初から多項式中心(つまり、代数的拡大)で話が進むので、わかりやすい。それでも、何回か読みなおしたけど。この間、ようやっと有限次拡大は代数的拡大に限るってのを発見したし。彌永昌吉だと「逆は成り立たない」とか他のと混ぜて書いてあるが、それじゃわからんよ。

もっとも、それは僕の限界であって、わかる人にはわかっていたと思われます。

アルティンは問題も多く、解答も丁寧。もっと早く読むべきだったな。

単に証明を追うだけではダメで、証明を追って問題を解いて、しかも、一通りの結論を得るところまで一気に読める力がないとね。彌永昌吉でも、そういう速度で読めば「あぁ、多重線形写像を最初に説明しているのは、同型を示すためなのね」とわかったかも。

だいたい、この手の本は、一通り勉強した後に、最短距離で思い出す索引みたいなものだからなぁ。
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