Wednesday 2 September 2009

人類の文化なんか関係ない、俺が儲かれば良い

「Googleブック検索和解案は泥棒行為」——中小出版49社が和解案から離脱 - ITmedia News http://bit.ly/MOSZR

なんか、

 人類の文化なんか関係ない、出版を牛耳っているのは出版社だ

ってな感じだなぁ。Internet に触れたことがない人には、全世界から検索されると言うことが、どういうことか理解できないのだと思う。そのあたりが「中小」である所以なんだろうけど。

出版物が全世界で共有されることが、集合知の視点からは当然だと思う。もちろん、そこに至る道のりが遠いのはわかっているけど。

検索によって、販売が伸びることはあっても、減ることがあるとは思えないです。そういう機会損失を強要するのってどうなのかなぁ。離脱により、日本人特有の「ゴネ得」を期待しているのだろうとも思うけど、google の反応は「あっそ。じゃ、検索できなくします」だと思う。

そもそも「検索させない」あたりが「出版の権限を出版社に維持して、著作権者から遠ざける」と言う戦略だと思う。もちろん、検索させない選択をするWWW小説作家がいるのは知ってるけど、それを選択するのは、個々の著作者であって、出版社じゃないだろ?

「Googleが商用目的で、著者や出版社に無断で書籍をスキャンする行為は日米の著作権法に違反している」と言う主張なんだけど、確かに「複製権を権利者が専有する」という条項が今の著作権法があるし、米国でもFair use の範囲内に入るとは思えない。

でも、だから、じゃぁ、世界的な検索はダメだってのは、おかしい。それは今の著作物を作る技術的な背景と矛盾していると思う。もはや、複製は、人間の頭で記憶するぐらい普遍的な技術で、それを禁止するのは「記憶するのを禁止する」のに近い。

そのあたりの前提の変化を考えながら、著作権法自体を見直していく必要があると思う。複製ではなく、使用量や、貢献度を評価して、金銭に換えていくビジネスモデルを前提にする方が良い。ゲームとかでも、売り上げはコピーではなく、事前評価によるものが大きいわけだから、そんなにおかしくないです。

fj でも、「fjへの投稿によって、複製権の放棄」を提案したことがあるけど、あまり受けは良くなかったですね。Usenet news は事実上、複製権の放棄なのに。すごく苦労して記事の集合を出版した人もいるんだけど、冷たい反応だったな。

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