もう一つ。でも、特に、2011/4/30に書いた
http://seeker-s-eye.blogspot.jp/2011/04/blog-post_30.html
と変わっているわけではないんだけど。
まず、ヨウ素ね。 放射性ヨウ素はもうないです。初期の頃にどれだけ出たかという問題。でも、もともと日本人はヨウ素とたくさん取っていて、そんなに吸収されない。そして、チェルノブイリと違って、そもそもヨウ素による牛乳や牛肉の汚染がなかった。なのに、
* 甲状腺がんの検査を大規模に行った
それは不要だとまでは言わないけど、今の時点で言えるのは「今のデータが平常時の状態」だってこと。放射線が撃ちぬくのは単一の細胞のDNAだから、それが目視できるような癌になるには時間がかかるってこと。既に結果が出ていて、たくさんあったと騒いでいる人がいるけど、
* 地域による差はなかった
つまり、汚染があった地域とそうでなかった地域での差はなかった。いわきや会津でも検査しているのに差がない。つまり東電原発事故の影響は現時点ではない。そう解釈するのが科学的という言うものです。あと、韓国で2008年あたりに甲状腺がんの検査が流行ったらしく、そこでもは今の福島の検査よりも多く発見されてる。つまり、甲状腺は、その程度のものをみんな抱えていることね。甲状腺がんは影響が出るとしても数年先。でも、おそらくほとんどでないでしょう。もともと予後の良い癌だし。
セシウムは30年と2年の二種類の半減期を持つ同位体があり、ほぼ同量放出されたと思われる。なので、最初の数年で劇的に減ります。実際そうなった。これからは、あまり減らない。でも、前に書いたように、10-20mSV/y だと、それほど大きな影響があるとは思えないです。それは、チェルノブイリでもそうだった。セシウムは水に解けず土壌にとどまってる。東京湾のセシウムも同様で、あまり生態系に入ってきてない。
原子爆弾の時には白血病が結構騒がれたのだけど、1.5倍ぐらいだけど、白血病自体が発症率が低くて、患者数がそんなに増えたわけではなかったりする。もちろん癌になった人は大変なわけだけど、社会的なインパクトはそれほど大きくない。
でも、何故、こんなに騒がれるようになったかというと、
* 放射線の健康への影響 児玉龍彦
* http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-626.html
の影響が大きかったと思う。児玉氏の論文を読んでみるとわかるんだけど、チェルノブイリでは癌では影響が観測できなかったので、膀胱の前癌症状で調べて影響を見ることができたみたいな論文なんだよね。東電原発事故での大災害を予告したわけじゃない。でも、彼がそれで何を主張したかったのかよりも、それで、
* 除染、あるいは避難するべきだ
という圧力が強まったことが良くなかった。実際には、ヨウ素やセシウムの内部被曝はほとんどなかったし、セシウムの環境放射線も低いし、ストロンチウムは、セシウムの1/10だったのに。除染の効果は限定的だし、必要なのはホットスポットだけだったはず。3.11 直後は、みんな少しおかしかった。
放射能汚染のチェルノブイリの教訓は、
* ちゃんと経済生活して生活水準を維持すること
* そのためにインフラを維持すること
だったはず。3.11 で沖縄に避難してきた人も、もう帰っている人が多い。実際の放射線の被害よりも、
* 避難や除染の経済的負荷やストレス
の方が生活水準に大きく影響している。今、甲状腺とか子供の避難とかで騒いでいる人たちがやっていることは、その普通の生活を邪魔しているだけ。エートスとかは、そういう普通の生活を助けるものだったはずだが、執拗に攻撃していた人たちがいたのは残念だった。
現実は、東電や農家の対処のおかげで内部被曝や外部被曝はほとんどないってこと。それは内部被曝検査とかフィルムとかからもわかってる。なので、東電原発事故での被曝による被害が出るとは考えにくいってことね。もちろん、予測に過ぎないけど、これが現状の予測だと思う。
結局、PWR/BWRの原発事故では、核爆発とか大量の核物質の漏洩は起きないってことね。それは核燃料の構成が「水で中性子を減速しないと核分裂しない」ようになっているから。そこが黒鉛減速炉だったチェルノブイリとは違う。メルトダウンすれば核反応は停まってしまう。つまり、原発事故の対処は、
* まず屋内退避であって、避難ではない
* 長期的には食物汚染を防ぎ、環境放射線の大きなところのみ避難する
ってことだと思う。病院の避難とか不必要だった。原発に隣接しているならともかく。救助活動とかもやっても良かった。防護服とかあれば。ただ、あの時点では、そんなことはわからなかったわけだけど。もちろん、核物質の漏洩量にもよる。ベントがもっと安全にできていれば、被害はもっと小さかったはずだけど。
今、内部被曝とか癌とかで騒いでいる人たちは、なんらかの理由でそれを望んでいるだけだと思う。例えば避難行動の肯定とか。あるいは罪の意識とか。それが本当に自分の考えなのかを分析してみるのが良いと思います。本当に、いろんな人が、いろんな努力をして、食物汚染を防いでる。その努力をないものとするのは、ちょっとひどすぎる。
No comments:
Post a Comment