Sunday 2 June 2019

ZF集合論の続き

集合論の本だと、

  ZF集合論の公理 → 順序数 → 構成可能集合 → ZF集合論のモデル

ってな手順です。今回は、

  ZFの公理の Agda の record を作る
  順序数(Ordinal)を data で構築する
  集合を順序数定義可能集合(順序数上の方程式)として定義する
  集合と順序数の対応を仮定する (ゲーデル数/ゲーデル集合)
  上界(Sup)を仮定する
  集合論のモデルを順序数を使って構築する

ってな手順です。公理は

   pair : ( A B : ZFSet ) → ( (A , B) ∋ A ) ∧ ( (A , B) ∋ B )
   union-u : ( X z : ZFSet ) → Union X ∋ z → ZFSet
   union→ : ( X z u : ZFSet ) → ( X ∋ u ) ∧ (u ∋ z ) → Union X ∋ z
   union← : ( X z : ZFSet ) → (X∋z : Union X ∋ z ) → (X ∋ union-u X z X∋z) ∧ (union-u X z X∋z ∋ z )
   _⊆_ A B {x} = A ∋ x → B ∋ x
   A ∩ B = Select A ( λ x → ( A ∋ x ) ∧ ( B ∋ x ) )
   empty : ∀( x : ZFSet ) → ¬ ( ∅ ∋ x )
   power→ : ∀( A t : ZFSet ) → Power A ∋ t → ∀ {x} → _⊆_ t A {x}
   power← : ∀( A t : ZFSet ) → ( ∀ {x} → _⊆_ t A {x}) → Power A ∋ t
   extensionality : { A B : ZFSet } → ( (z : ZFSet) → ( A ∋ z ) ⇔ (B ∋ z) ) → A ≈ B
   minimul : (x : ZFSet ) → ¬ (x ≈ ∅) → ZFSet
   regularity : ∀( x : ZFSet ) → (not : ¬ (x ≈ ∅)) → ( minimul x not ∈ x ∧ ( minimul x not ∩ x ≈ ∅ ) )
   infinity∅ : ∅ ∈ infinite
   infinity : ∀( X x : ZFSet ) → x ∈ infinite → ( x ∪ Select X ( λ y → x ≈ y )) ∈ infinite
   selection : { ψ : ZFSet → Set m } → ∀ { X y : ZFSet } → ( ( y ∈ X ) ∧ ψ y ) ⇔ (y ∈ Select X ψ )
   replacement : {ψ : ZFSet → ZFSet} → ∀ ( X x : ZFSet ) → ( ψ x ∈ Replace X ψ ) 

ってな感じ。Agda は高階関数型だから一階述語論理と違ってAxiom Schemeとか関係なく、任意の関数を含む公理を記述可能。

これをモデルが満たすかどうかをチェックにいきます。

順序数定義可能集合ODは単なる述語なので、こんな感じ。

  record OD {n : Level} : Set (suc n) where
   field
    def : (x : Ordinal {n} ) → Set n

Agda で証明できない仮定の方は、o< が順序数の順序で、c< が集合の順序∈で、

  postulate   
   od→ord : {n : Level} → OD {n} → Ordinal {n}
   ord→od : {n : Level} → Ordinal {n} → OD {n}
  postulate   
   c<→o< : {n : Level} {x y : OD {n} } → x c< y → od→ord x o< od→ord y
   o<→c< : {n : Level} {x y : Ordinal {n} } → x o< y → ord→od x c< ord→od y
   oiso : {n : Level} {x : OD {n}} → ord→od ( od→ord x ) ≡ x
   diso : {n : Level} {x : Ordinal {n}} → od→ord ( ord→od x ) ≡ x
   sup-od : {n : Level } → ( OD {n} → OD {n}) → OD {n}
   sup-c< : {n : Level } → ( ψ : OD {n} → OD {n}) → ∀ {x : OD {n}} → ψ x c< sup-od ψ

これくらいです。Ordinal の方は泣くほど複雑になって、結構苦労したんですが、なんとか動いているみたい。

これで、pair/empty から始めて、regurarity, selection, union, extensionality までできました。思ったより順調かな。
selection は分出公理とか subset とか呼ばれるものです。

Ordinal が複雑なのが残念すぎる。Union 公理の証明で順序数の osuc つまり、x ∪ {x} で

   y o< osuc x → x o< y → ⊥

を証明するのが Ordinal が正しくできているかにかかっていて厳しかったです。作り直しかと思ったよ。

残りは power set , infinity, replacement ですが、できるかな〜

  http://www.cr.ie.u-ryukyu.ac.jp/hg/Members/kono/Proof/ZF-in-agda/

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