学部時代に存在を氏って、斉藤先生の本とか買っていたんですが、
肝腎のモデルの話がない
で、ロビンソン先生の元が読めるわけなので、そちらを読むわけですが、超フィルターとか出てきて良くわからなかった。
今回は、
https://math.berkeley.edu/~jhicks/links/SOTS/koneill030514.pdf
を読んでみました。何回か集合論勉強したので超フィルターだいぶましになってる。
If A, B ∈ F,then A∩B ∈ F
If A ∈ F and A⊆B⊆I,then B ∈ F
フィルタ自体は割と簡単。ある集合Iの部分集合の集まりFで、その要素の共通部分もF含まれていて、ある要素を含む集合も含まれているというもの。ブール代数のイデアルの双対みたいなものらしい。
超フィルターFってのは、Iの部分集合Aを取ると、AかAの補集合がFに含まれるもの。これを使ってIの部分集合を二つにわけて、いろんなモデルを構築するわけね。簡単な例は、あるIの要素aを撮って、それを含む集合とそうでない集合にわける。そうすると超フィルターになりまう。a がA入ってなければ、Aの補集合にはaは入っているから。これを Principal filter というらしい。
超実数は、実数が整数の無限列なのと同様に、実数の無限列として作ります。
四則演算は、実数列それぞれで行えばよい。
問題は、こいつに順序が入るかどうか。それぞれの列の実数を比較して、1と0を割り振ると、
1と0の無限列ができる
で、1が多い方が勝ちにするわけだけど、特定の列で決まってしまうと具合が悪い。1と0を逆転させると結果は逆転して欲しい。つまり、1,0の無限集合の部分の集合が non principal な超フィルターFに含まれるかどうかで勝ち負けを決めると良いらしい。
で、問題は、non principal な超フィルターFが存在するかどうか。non principla ってのは、
どんなIの要素aを取ってきても、それを含まないFの要素の集合がある
ってことね。フィルターの要素の共通部分はフィルターに含まれるので、
有限個のIの要素を取り除いた集合はすべてFに含まれる
ということ。有限集合はぜんぶ含まれない。問題は無限集合で無限個の要素を欠いたものだな。これを全部含むと超フィルターではなくなってしまう。そこで、
有限個のIの要素を取り除いた集合をすべて並べて、その共通集合を取っていく
そうしてできたものをFとすると。選択公理があるなら、これが可能。で、選択公理を仮定しないとないとしても良いらしい。
要は整数の部分集合の集まりであるnon principal 超フィルターを仮定すると、超実数に全順序が入るということらしい。
ここまで来るとあとは簡単で、
どんな小さい正の実数よりも小さい正の超実数を無限小とする
ある超実数は、ある実数と無限小分だけしか違わない
無限小だけの差しかないを、 ≃ とすると、これが同値類になり、実閉体で成り立つものは、= をこれで置き換えるだいたい成り立つというわけですね。
デルタ関数とかも普通に関数として定義できるらしい。便利。
http://planetmath.org/constructionofdiracdeltafunction
でも、超実数に対する直観は、やっぱりモデルの直観だと思うので、εδとかよりわかりやすいかどうかは。
超フィルターが存在するかどうかは選択公理に依存するので、そんなものあるのという疑問は正しい。なので、ちょっとやっっかいな感じ。でも、
超実数に全順序がある
ということ自体はわかりやすいかな。これを認めれば良いかもしれないですね。
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