Thursday, 28 September 2006

向陽高校と中高のカリキュラム



13人ぐらいの学生にPS2見せて来ました。ちょっと、低調な反応だったな。もっと詳しくやるべきだったか?

六三三制がダメだってのは私学はわかっていて、それが中高連係している私学の人気が高い原因になっているわけ。それが、中学受験の敷居を上げているわけだね。義務教育の境目が中学にあるところが間違っているわけでさ。高校まで義務にすればいいんだけど...

向陽高校で「物理と数学を教え切れますか?」と聞くと「うちは零限授業と夏休みの補講がありますから」というお答え。そう、そうしないと普通の高校では受験までに終らない。

中学は全員に教えるという前提で、誰にでもわかる=内容のない授業になっている。一方で、高校は「大学受験」が前提で、受験に必要な科目が詰め込まれている。ところが、大学の科目では、必要なことを教え直すように出来ているので、受験の内容と大学1,2年の数学/物理が、かなりの程度、重なっている。てな感じで、近年の「ゆとり教育」では、その重なっている部分が高校から取り除かれたんだよね。そうすると、今までの高校の科目を当てにしている大学のカリキュラムは破綻するというわけだ。

今日も「この車が道に沿って走ると言うのは、平面の方程式から見ると、法線ベクトルが....」みたいな話をしたけど、「それは高校ではやりません」。だそうです。それじゃぁ、なんのためにベクトルとか連立方程式とか勉強しているのか謎なだけだと思う。

カリキュラムを作るときに「一つのことは、一つの科目で一回しか教えない」という感じになっているわけだけど、それが間違っていると思う。平面の方程式でも、

 連立方程式の解としての平面
 ユークリッド幾何としての平面
 ベクトル空間上の平面
 物理空間での場としての平面

などいろいろあるわけで、その都度、繰り返し教えて良い。

文章題とか証明の記述法も国語の授業の一貫として教えるべきだと思う。科目間の連係を取るのは難しいけど、重複して教える分には問題ないよね。

特に物理化学数学は、お互いに密接に結び付いているのだから、ある時期は数学だけ、ある時期は物理だけみたいな教え方でもいいんじゃないか? そうすれば、実は、教える量も見掛け上減るんじゃないかなぁ。

例えば斜面上の重りの運動とかも、ベクトル空間上の拘束条件として、はっきりさせた方が問題としてすっきりするし。そこがわかるまで、抗力がどうして斜面に垂直なのか理解できませんでした....

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