なんかゆっくり読んだ。神林らしいっていうか、いつものパターンですね。実際、火星から来た兵隊の話の「機械たちの時間」と、ほとんど同じ。異世界から来た兵隊が、現実をいじりながら勝手に戦い、そこに巨大コンピュータが絡むってなわけ。まぁ、いいんだけどさ。アイデアの使い回しは。SFって、そういう文脈あるし。
テーマはタイトル通り帰還で、この帰還装置ってがしゃれてる。そこだけは買います。でも、ちょっと浅い感じ。もっと深く追求して欲しかったかな。
島送りになっている僕としては帰るってのは何かってのは、確かにちょっと引っかかる。でも、大人になって親から離れたら、そもそも、帰る場所なんてないよ。その「帰る」ってのに意味を見出すのは、やっぱり、母としての女性なんじゃないのかな。もちろん、男として、それには付き合いますが、自分で子供を産むわけじゃないので、女性と感じ方が違うのは仕方がない。誰もいないアパートに「帰る」なんてなんか変だしね。
逆に、どこでも自分の家だって気もする。自分がそこにいれば、そこは常に自分が帰る場所。どっちかって言うと還る場所か。それは、土に還るっていう意味に近いかも知れない。最大に長生きしたってたかが知れているこの世で、移動できる範囲も限られてる。それなのに、「ある場所」に特別な意味を見出すのも変な気がする。
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