Sunday, 27 August 2006

政府の判断と裁判所の判断



http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=77812&media_id=20

異なるのは当然。議会が作った法律にしたがって、政府の政策執行を、裁判所が判断するわけだよね。それが三権分立でしょ?

裁判所の判断は「後だし」だから、そっちの方が妥当になるのはやむを得ない。一方で、問題なのは、「当時、法律的に正しい判断が出来なかったのは何故か」ってことだよ。そこには、役人根性っていうか、人権軽視があったことは確かだと思う。「時効が成立したからセーフ」ってわけでもないよね。

政策の執行にはブレもあるわけだから、それが将来的に違法になる可能性もある。それは政策判断におけるリスクなわけ。しかし、そのリスクはもっとも役人が嫌うもののはず。でも、それは遠い未来のリスクだから、近いリスクに比べれば軽視されるわけだな。

天下りの禁止も、私企業に移動した役人がその企業に便宜を図る、あるいは、企業への移動そのものを理由に便宜を図るってのを、防ぐためには有効なんだろう。でも、それは短期的な判断に過ぎない。それが、憲法

第22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

に違反しているっていう判決が将来出るという予測もある。でも、役人は、それを選択するのか? あるいは、そういう制約は、日本全体から見た生産性にどう影響するか考えているのか?

この二つは、実は、密接に結び付いていて、「役人は、ちゃんと法律に従って、日本国、あるいは、世界の長期的な利益を考えて、判断しているのか?」ってことだよ。もっと言えば、そういう判断をすることが、役人自体(自分自身)の利益になってないなら、そんなことをする義理はないんじゃないのか? ってことでもある。

役人に、スーパー善人、あるいは、超秀才を期待するのは結構なことだし、そこで、さらに、安月給を強いるのも良いし、一方で、ホゲ法人とか、ほげほげ役職に高給を付けるのもいいけどさ。

結局、信用できるのは「金に困ってない奴」だとかいうことになるなら、役人になる資格を資産家なんかで決める方が合理的にも思える。貴族制ってのはそういうものか?

役人の給料が自分の税金から出ているとかいうのって、税金の80%は20%の金持ちが払っているっていう現実をわかっているのかな? 税金を抑えて得するのは金持ちなのにね。役人の給料下げて得られるものは、信用できない役人、あるいは、金持ちが信用できる役人だけだと思う。

システム的に、役人の質、政府の判断の質を高くする仕組み自体を作らない限り、裁判所の後だしの判断が、政府の判断の「今の質」を上げることはできないと思う。

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